育った環境
僕は小さい頃から祖父母に育てられた。
両親が仕事で忙しかったため、いつも預けられていたからだ。
預けられていたのは父からの祖父母の家だったのだが、父方の家系は皆太っていた。
祖父は肥満ではなかったが、決して痩せてはいない。
祖母はまさに肥満という体型で、農業という仕事のせいもあるだろうが、体重が重いことで膝を悪くしていた。
父方の叔母にも、明らかに肥満だろうというほど太った叔母がいる。
つまり僕も遺伝的には太りやすかったのだ。
そこにきて、祖母の食事は僕を太らせた。
祖母が作るものは揚げ物が多かったのだ。
肉はもちろんだが、魚も揚げてしまう。
しかも、僕が美味しそうに食べるのが嬉しかったのか、祖母は「もっと食べなさい」とどんどん食べさせたのだ。
僕がもういらないというまで「食べろ食べろ」と繰り返し、食事が終われば必ず食後のデザートが出てくる。
食事以外にも、常にテーブルには何か食べ物があり、お菓子もスナック菓子やチョコレートが常にストックされていた。
そのため僕は、「空腹」を感じる前に、常に何かを口にしているような幼少期だった。
食べすぎた幼少期
そんな食生活を続けていれば、もちろん太ってしまう。
しかし、「食べろ食べろ」と言われて、それがいけないことなど、小さい僕にわかるわけがない。
僕は言われるがままに、好き放題食べていた。
もともと身長は高い方だったが、太っていたこともあり、小学校入学前には130cmの服を着ていたそうだ。
母は、僕が太っていくのが気になっていたようだが、姑に対しては強く言えずにいたそうだ。
しかも僕は好き嫌いがなかった。
だから出されたものは全て食べてしまっていた。
野菜も嫌がらずに食べていたが、何分、肉や揚げ物を食べる割合が多かったのだ。
家に帰れば、母から食べ過ぎだと怒られたが、日中は祖母のもと好きなだけ食べられる日が続いた。
おかげで僕はすっかり肥満児になってしまった。
特に運動をすることもなかったから尚更(なおさら)だ。
太りすぎて体が重いため、余計動けなくなる。
小学校時代の体育は散々だった。
短距離などの瞬発力を要するものも、長距離のように持久力が必要なものも、全て体が重くてついていけなかった。
運動会の短距離はいつもビリ、小学校のマラソン大会も大嫌いだった。
中学生、部活を始める
小学校まではまともな運動はほとんどしたことがなかった。
唯一、週に一度、柔道を習っていたのだが、それもダイエットにはあまり効果がなかった。
そんな僕も中学に入学すると部活に入らなければならなかった。
仲のいい友達と卓球部に入部したのだが、それが生まれて初めてまともに運動することになるチャンスだった。
卓球部はあまり厳しくはなかったが、毎日運動することになり、そのことは僕に肥満にはある程度効果的だったようだ。
見る見るうちにとまではいかなかったが、小学生時代から比べるとだいぶ痩せた。
身長が伸びたせいもあるかもしれないが、多分僕の人生で一番痩せた時期だろう。
この頃、食事制限もある程度していれば、僕も肥満から脱却できていたかもしれないが、中学生男子の食欲は抑えきれなかった。
小学生の頃とは違い、学校から帰宅する時間が遅くなったため、間食の量は減った。
とは言っても、運動した分食べていたこともあり、「細身」とまではいかなかった。
さらに小さい頃からの肥満のせいか、下半身はなかなか痩せることができなかった。
結局、3年で部活を引退すると、僕はまた太り始めた。
バランスの良い食生活
高校に入学すると、僕は寮生活を送るようになった。
寮生活は色々と規制が厳しく、食事も提供されていたため、それまでにないほどバランスの良い食生活だった。
たまに外出するとおやつを買い込んではきたが、自分の小遣いだけでやりくりするため、好きなだけ食べるというわけにもいかなかった。
時々祖母から食べ物が送られてくることもあったが、地元にいた頃のようには食べなかった。
高校時代は、部活に所属しなかったため、運動で痩せるという機会はなかったが、食事が制限されたため、それ以上太ることはなかったが、逆に劇的に痩せることもなかった。
そんな高校生活を送り、子供の頃のような肥満はなくなった。
顔まわりも痩せて、ぱっと見には太っていると言われることも無くなった。
しかしやはり、子供時代からあまり運動をしてこなかったせいか、筋肉があまりなく、腕や足、腹周りの贅肉が取りきれていない。
今は社会人になり、一人暮らしをするようになったが、もともと食べることが好きだった僕は、自分で料理することも好きだし、食べることも大好きだ。
今は看護師という体力を使う仕事をしているため、食べても極端に太ることはないが、この先年齢を重ねて、太りやすくなっていくだろう。
また父方の祖父は糖尿病だった。
僕もこのままだと糖尿病などの生活習慣病になる可能性が高い。
子供の頃からの食の好みはなかなか変えられないが、少しでも栄養バランスの良い食事をして、生活習慣病を予防しようと思う。
hapoerk:p著
